グルリット作曲「夕べの歌」

夕べの歌

今回は、グルリット作曲「夕べの歌」を紹介します。

楽譜は、『音楽表現練習へのピアノ小曲集 バイエル併用』(シンコーミュージック)に収載されているものを使っています。

ほかに、『きらきらピアノ こどものピアノ名曲集3』(全音)にも入っていますね。

難易度は、バイエル後半くらいかと思います。

楽譜を使用した『音楽表現練習へのピアノ小曲集』には、「バイエル70番程度」とあります。

また、『こどものピアノ名曲集』の3巻は、「バイエル終了程度」の難易度とされています。

「夕べの歌」というタイトルのこの曲。

1日の終わり、日が沈むころの穏やかな雰囲気をイメージして弾いてみました。

参考記事こちらで『音楽表現練習へのピアノ小曲集 バイエル併用』を紹介しています。

「夕べの歌」基本情報

題名夕べの歌
作曲者/国グルリット/?
時代区分ロマン派?
調性ト長調
楽式一部形式
拍子4分の4拍子
速度表示Allegretto

作曲者グルリットについてですが、「小さなロマンス」など初心者向け小品を多く残しているコルネリウス・グルリット(1820-1901)と同一人物かどうかは不明です。
ピティナ・ピアノ曲辞典などで調べてみましたが、この曲を見つけることができませんでした。
そのため、国、時代区分も「?」としています。

小節数は16小節。演奏時間は45秒ほど。

楽式も一部形式で、造りのシンプルなとても短い曲ですね。

ですが、情緒ある美しい曲だと思います。

演奏のポイント

演奏するにあたって大切だと考えたのは

聴かせる音をはっきりとさせる

という事です。

こちら⇩はこの曲の冒頭4小節の楽譜です。

この曲の楽譜は、1曲通してこのようになっています。

パッと見ただけでは、メロディーはどこ?という状態ですよね。

こうした中から、きちんと聴かせるべき音を見つけなければいけないですね。

聴かせるべき音を丸く囲ったのがこちらです⇩

右手の方は、「シラレド シラレド~」左手は「ソドシラ ソドシラ~」。

これが、左右にまたがる形でキレイに流れていきます。

こうした音を見極め、さらにきちんと目立たせて演奏することが大切だと考えます。

『音楽表現練習へのピアノ小曲集』の楽譜の下部にも以下のように書かれています。

「夕べの歌」は一寸ハイカラな如何にもピアノ曲らしいものであります。楽譜を見ただけでは左手にも右手にも旋律らしいものは見られないようでありますが、四拍子のアクセントを正しくひいてみますと、左手と右手とに別々の旋律を感じます。そして全体のニュアンスはたしかに標題の通りの夕べの歌であります。よく味わいながらひいて下さい。

『音楽表現練習へのピアノ小曲集 バイエル併用』より「夕べの歌」解説文

聴かせるべき音の見つけ方

この曲のようにアルペジオが連なっている曲というのは、わりとよくある印象です。

そうした曲はどれも「どの音を大切にするか」を見極めることがとても大事になります。

でも、楽譜を見ただけでは分かりにくい・・

見つけ方のコツは

  • 音が変わっていっているもの
  • アクセントやテヌートなど「大事に弾いてね!」という記号が付いているもの

を探すことですね。

この曲の場合は、1つ目の方が当てはまります。印のつけた音は次々変わっていっていますよね。

一方で印をつけていない方は、ほとんど変化していません。

やはり、音が動いている、流れているのが「旋律」というのが基本になります。

技術面でのポイント

演奏技術の面で気をつけなければいけないと感じたのは

左右の流れを滑らかに

ということです。

楽譜を見ていただくと分かると思いますが、この曲は、8分音符4つをひとまとまりにして、左右で2つずつに分けて弾くようになっています。

左右で弾き継いでいると気づかないくらい滑らかに弾く必要がありますが、それが難しく感じるかもしれません。

「タカタカ タカタカ」が「タカ」「タカ」「タカ」「タカ」となりやすいのでは、と思います。

4つの音でひとまとまりではなく、2つずつ「ボコ」「ボコ」という感じで滑らかさがない状態です。

左右で別々に弾いているのがはっきりしてしまいますね。

弾いている自分の音をよく聞き、必要ならメトロノームを使って、正確に4分割して弾けることが大切です。

次回は、このことについてもう少し詳しく書いてみたいと思います。