今回は、モーツァルト作曲「アリエッタ」について、私が大事にした弾き方をもう少し具体的にお話していこうと思います。
「歌」を意識して演奏したいと思ったこの曲。
歌うようにのびやかに
弾きたい、と考えました。
そのために一番大切に考えたのは、「スラー」です。
私の使用した楽譜は原典版ではないので、モーツァルト自身がつけた音楽記号ではないと思われます。
ですが、使用する楽譜に書かれていることから曲のイメージを膨らませることが基本となるため、使用した楽譜に書かれている記号に沿ってまとめています。
メロディーのまとまりを流れるように
(動画:1分24秒~)
スラーは、メロディーのまとまりを表しています。
そのまとまりを、
なめらかに、流れるように
弾きたいと考えました。
⇩例えば冒頭の部分。
4小節にわたってスラーが弾かれています。
一つ一つの音をはっきり弾いて独立させるような形ではなく、4つでひとまとまりととらえて弧を描くようなイメージで弾きます。
16分音符のスラー
(動画:3分39秒~)
長い音だけではなく、16分音符にもスラーは書かれています。
⇩こちら。
1小節ずつそれぞれまとまり感を出すように弾くとよいですね。
⇩B楽節にはこういったところもあります。
こちらも同じですね。
まとまりを意識してなめらかに流れるように弾きます。
なぜ1小節ずつのスラー?
(動画:6分29秒~)
16分音符部分のスラーは、1小節ずつ書かれています。
ですが、例えば上の楽譜の終わりの2小節は、2小節にまたがってのスラーでもよいのでは?と思いませんか?
私もそのように思ったりしました。
でも、弾いてみると、やはり1小節ずつとらえるのがしっくりくるように思います。
全体としては音が下がっていっているのですが、
1小節ずつ「1音上がって下がっていく」
という形になっています。
その動きをメロディーの特徴と捉えると、1小節ずつのまとまりと考えるのがよいのではないかと思います。
2小節をまとめて弾いてしまうよりも、メロディーに変化が生まれるように感じます。
スタッカートはあくまで柔らかく
この曲は、スタッカートもよく出てきます。
8分音符が3つ続くところは、すべてスタッカートが書かれています。
⇩こういうところ。
この形が曲の中に何度も出てきますが、すべてにスタッカートがついています。
また、B楽節初めの左手の部分もそうですね。
⇩こちらです。
こうしたところは、すべて柔らかいイメージを持って弾くようにしました。
その方が、「のびやかに弾きたい」という私が持っている曲のイメージに合うのではないかと考えました。
左手の弾き方
(動画:54秒~)
左手は、1曲通して3拍子を刻む形になっています。
⇩こちら曲冒頭の部分です。
版によっては、スラーが2つ目の音までになっているものもあるようです。
⇩こちらです。
ただ、私の持っている楽譜はあくまでも上に示した形になっているので、そちらに沿って演奏しました。
私の印象としても、2つ目に示した楽譜の弾き方だと、3拍子が強調されすぎてしまうのでは・・と思えます。
1小節ごとの3つの音のまとまりを意識しながら、柔らかいイメージを持って弾きました。
保持音を大切に
(動画:2分45秒~)
3つの音の中で初めの保持音は大切ですね。
しっかりと付点4分音符として伸ばすこと、そして、メロディーの音との和声を意識して弾きたいところです。
⇩冒頭部分を右手のめろと左手の保持音のみを書き出すと、このようになりす。
この音の重なりを意識して弾きたいですね。
なぜ左手の方は保持音になっているのか。
それをきちんと理解して弾くことが大切です。
まとめ
(動画:4分05秒~)
「歌うようにのびやかに弾きたい」
そのために考えたことをまとめてきました。
まず大事にしたのは、
スラーが書かれた部分のまとまりを意識して、なめらかに流れるように弾く
ということです。
音の動き(動画で「音の流れ」と言っていますが、間違いです)に沿って変化をつけて弾くことで、音の流れが強調され、のびやかなイメージに近づくのではないかと考えています。
あとは、のびやかなイメージを壊さないよう、
- スタッカートを柔らかく
- 左手の3拍の刻みが強調されすぎないように
ということを考えて演奏しています。