「サクランボの唄」をさらに深掘り【coda】

今月お伝えしている「サクランボの唄」。

最後に「coda」の部分についてまとめていきます。

この曲の締めくくりの部分。また少し違った雰囲気で弾くことが求められています。

coda全体を通して

曲の最後8小節がこの曲の「coda」になります。

A楽節は「cantando」、B楽節は「con grazia」とあり、それぞれ「歌うように」、「優美に、優雅に」を意識してきました。

このcodaは、「gioioso」で始まります。

そして、最後から3小節目に「deciso」とあり曲が終わります。

「gioioso」は「ジョイオーゾ」と読み、「楽しげに」「元気な」といった意味。

「deciso」は「デチーゾ」と読み、「はっきりと」「決然と」という意味です。

どちらもA楽節、B楽節と雰囲気が違います。

これまでとはイメージを変えて弾く必要がありますね。

また、8小節と短い中でもアーティキュレーションが細かく、f→p→fと強弱が変わります。

そうしたことにもきちんと目を向けて弾きたいところです。

なお、「gioioso」「deciso」ですが、どちらも私の使用した楽譜には意味が直に書かれています。

特に「gioioso」は私の手持ちの辞書どれにも載っていない語句で、あまり使われないものなのかもしれません。

ネット検索では出てきました。

以降の部分については、音声でも聴いていただけます。

gioiosoの部分について

この「サクランボの唄」は、B楽節から再びA楽節に入りcodaで終わるという形です。

なので、codaのすぐ前はA楽節の最後の部分ということになりますね。

A楽節の終りからcodaにかけては⇩このようになっています。

A楽節がp subito(すぐに)で終わり、codaの最初にfとこの「gioioso」が書かれています。

なので、ここからガラッと雰囲気を変えて、楽しく元気に弾いていくことになりますね。

テヌート、スラーがポイント

gioiosoで弾いていくことになるので、スタッカートはAやBよりも歯切れよくしてもよいと思います。

一方で、テヌートやスラーも付けられていますが、こちらは丁寧に弾きたいところです。

これまでと付き方が変わっているんですね。

・スタッカートが付いていそうなところがテヌートに
・スラーの始まりが1音早く

といった状況。

楽譜で見ると、このようになっています。

こうしたところをこだわって手寧に弾くことで、メリハリのある生き生きとした演奏になると考えます。

decisoの部分について

decisoは、最後から3小節目にあります。こちらもfと共に書かれています。

この2小節前にpがあり、これを経てのf decisoです。

pからパッ!と雰囲気を変えて、元気に華々しく終わりたいですね。

ここまでの内容については、音声でも聴いていただけます。

おまけ なぜ「唄」なのか?

この「サクランボの唄」、原題は「La canzone delle ciliegie」です。

訳すとそのまま「サクランボの歌」となるのですが、なぜ「歌」ではなく「唄」としたのかな?

気になりませんか?

「歌」と「唄」の違い、少し調べたことをまとめると・・

歌:いわゆる歌全般を指す 常用漢字
唄:仏教とともに入ってきた文字で、邦楽や民謡など民俗的なうたの際に使われる

ということになりそうです。

とすると、この「サクランボの唄」は収穫祭のようなお祭りの際に歌われるようなイメージなのかな・・

訳した人はそう解釈したのかな・・

そんな風に想像しました。

それにしても、何でイタリアでサクランボ?有名だっけ?

そのあたりを調べてみたところ、イタリアでは、サクランボはポピュラーな果物でよく食べられるそう。

その地方地方で”サクランボ祭り”といったイベントごとも開かれるようです。

だから「サクランボ」か~

こんな風に考えて、私のこの曲のイメージは

農家の人たちが、サクランボの収穫を祝って歌っている

ということになりました。