前回は、「サクランボの唄」全体を通して演奏のポイント等をまとめました。
さらに深掘りし、各楽節ごとにその特徴や演奏の際に注意すべきこと、練習の仕方等をまとめていきます。
今回は、A楽節を見ていきます。
A楽節を通して
A楽節は、アウフタクトで始まり、全16小節で成り立っています。
この「サクランボの唄」は「複合3部形式」となり、A楽節の中でa-bと2つに分けられます。
1つの楽節が1つの曲のようにまとまっているということですね。
a、bそれぞれ8小節ずつです。
前回の記事で「対比」という曲の特徴をお伝えしましたが、A楽節は
a:2小節ずつの対比が2回(または4小節ずつの対比)
b:4小節ずつの対比
となっています。
この対比に変化をつけて演奏することで、曲に生き生きとした表情が生まれてくると考えています。
cantandoが難しい!
⇩音声でも聴いていただけます。
そのことを具体化していくために、どのようなイメージを持って曲を捉えるかが大事になります。
それを深めていく手掛かりとなるのが「発想記号」ですね。
A楽節の冒頭には、「cantando」とあります。
意味は、「歌うように」となりますね。
歌うようなイメージで演奏していくことになりますが、それが難しい・・と感じました。
この曲は、フレーズが短めでスタッカートも多く、軽やかな雰囲気が感じられます。
ともすると、歯切れよく元気いっぱい、といった感じになってしまうんですね。
「cantando」に近づけようと、色々と弾き方を変えて練習をしてみました。
その結果・・
上へではなく横(先)へ
演奏するときの意識を、「上へ」ではなく「横(先)へ」というようにしました。
「歯切れよく元気いっぱい」というのは、「その場でぴょんぴょん飛び跳ねる」ようなイメージがあります。
そうではなく、横へ、先へ流れていくイメージを持って弾くようにしました。
具体的には、
- スタッカートやフレーズの切れ目の音を長めに
- メロディーの動きに沿った細かな強弱をつける
ということを意識しました。
これで「cantando」に近づいたのではないかなと思います。
⇩音声ではもう少し詳しく説明しています。ぜひお聴きください。

B楽節についてもまとめる予定です。お待ちください。
【おまけ】「cantando」と「cantabile」
「歌うように」と訳される楽語に「cantabile」もありますね。
どちらかというと「cantabile」の方がよく見るような気がします。
手持ちの2冊ある簡易版の音楽辞典は、「cantando」「cantabile」どちらも「歌うように」となっています。
『新音楽辞典(楽語)』(音楽之友社)にも「歌うように」としかありません。
でも、言葉が違うということは、イタリア語では使い分けられているということですよね。
「cantando」と「cantabile」は何が違うのでしょうか?
ネットで検索する限りでは、詳しいことはわからず・・。
音楽用語としてはどちらも「歌うように」となり
大きな違いはない
とのこと。
言葉というのはとても難しく、その言語特有のルールというものもありますし、ニュアンスによって使い分けるということもありますし。
本当はもう少し細かく知りたいところですね。