”ワルツ感”を出すために

「すみれ」はワルツ。

そして、ワルツの中でも演奏に乗ってダンスすることを想定して作られる「ウィンナ・ワルツ」の要素が強いのではないか。

といったことを前回の記事でまとめました。

それを踏まえて、具体的にどのように弾けばよいのかを考えていきます。

「3拍子」を強調

⇩動画でも見ていただけます。

1つは、ワルツの特徴である「3拍子」をしっかりと意識し、強調させることであると考えます。

強・弱・弱1・2・3

の拍子感をしっかりと出すということですね。

「3拍子である」ということを伝わるようにすることは第一に考えるべき大切なことです。

さらにこの曲の場合は

ダンスしたくなる拍子感

も重要です。

そのためには、

重・軽・軽1・2・3

の意識も大切ですね。

3拍子:強・弱・弱
ダンス感:重・軽・軽

これらを組み合わせた形を意識することが大切だと考えます。

そしてもう一つ、

音楽を先へ先へ進めていく「躍動感」

も大切ですね。

「強・弱・弱」「重・軽・軽」は1小節のとらえ方です。

1小節ずつの意識だけでは、やぼったい感じになってしまうのではないでしょうか?

この演奏にどんどん乗っていきたくなるような「動き」を感じさせる演奏を意識することもとても大切なことだと考えています。

「ずらした3拍子」について

(動画:2分10秒~)

ウィンナ・ワルツの拍子の特徴として、「2拍目を早めに」というものがあります。

均等に3拍子を刻むのではなく、2拍目の入りが若干早いのですね。

これは、ウィンナ・ワルツの発展とともにだんだんとそうなっていった、ということのようです。

Wikipediaによると、「20世紀中ごろの成立した習慣であるとする見解もある」とのこと。

ワルツの伝統的な拍子の取り方というわけではない、ということですね。

ということでは、この「ずらした3拍子」にこだわる必要はないのではいかと思います。

「すみれ」はウィンナ・ワルツの要素が強いと感じます。

ですが、ダンスのために演奏するものではないので、均等な拍子の取り方でよいと思います。

メロディーとの兼ね合いは?

⇩動画でも見ていただけます。

「ワルツ感」は左手の伴奏が担います。

それでは、メロディーはどのようにすればよいのでしょうか。

メロディーは、どの楽節も最小単位は2小節ととらえられます。

2小節目までスラーでまとまっているものもありますし、1小節ずつを2小節でまとめられるものもあります。

こうした違いを「ズンチャッチャ」の伴奏部分でも意識したいところですね。

2小節がスラーでまとめられるもの

(動画:49秒~)

冒頭の部分では、スラーは2小節の頭までかかっています。

この場合、2小節目の1拍目は、1小節目の1拍目ほど重く捉えなくてよいと考えます。

1小節目の3拍目についても、次へつなげる意識をもって、あまり軽くしすぎない方がよいかもしれません。

C楽節の冒頭部分は、1小節目の3拍目から2小節目の1拍目にかけてスラーがかけられています。

この場合は特に、1小節目の3拍目は軽くしすぎないようにしたいですね。

メロディーは「2音のスラー」になっているととらえ、3拍目であっても少し強調して重めに弾き、1拍目を軽めに弾くようにしたいと考えます。

1小節ずつ2小節のまとまりになっているもの

(動画:4分58秒~)

2小節をスラーでつなげるのではなく、1小節ずつ2つでひとまとまりと捉えられる部分も多くあります。

この場合は、2小節目の1拍目にアクセントが付いていることが多いですね。

こうした部分は、1小節ずつでのまとまりで3拍子感をきちんと出し、1小節目よりもむしろ2小節目の1拍目を「強」そして「重」の意識で演奏した方が良いように思います。

例えばB楽節は、1小節目は装飾音符つきの4分音符が、同じ音で拍子の通りに並びます。

そして2小節目は、2分音符と4分音符という形で音も変わり、1小節目とは全く異なっています。

この1小節目と2小節目の違いを明確に表したいですね。

そのために、1小節目はあまり「重・軽・軽」を強調しすぎず、3つともを同じくらいの重みで弾き、2小節目で強調する、といった弾き方がよいのではないかと考えます。

まとめ

今回は、”ワルツ感”を出すために具体的にどう弾けばよいのかをまとめました。

ワルツの最大の特徴である「3拍子」をきちんと保ちながら、メロディーの流れに合わせて少し変化をつける。

そうすることで、ダンスの軽やかさや躍動感を表現できるとよいのではないかと思います。

参考になればと思います。