今回は、C.S.ブレイナルド作曲の「星明りのワルツ」を紹介します。
楽譜は、『トンプソン現代ピアノ教本2』(全音)に掲載されているものを使っています。
ほかに、『夢みるピアニスト こどものピアノ名曲集3』(ドレミ楽譜出版社)にも入っています。
難易度はバイエル後半くらいでしょうか。
『夢みるピアニスト こどものピアノ名曲集3』の難易度は「バイエル終了程度」となっています。
拍子は3/8拍子。
タイトルに「ワルツ」とありますが、その通り軽やかな雰囲気で弾きたいところです。
『トンプソン現代ピアノ教本』の掲載目的としては、「変奏曲を体験する」ということのようですね。
この曲、変奏曲なんです。
そのことも忘れずにおきたいですね。
「星明りのワルツ」基本情報
| 題名 | 星明りのワルツ |
| 作曲者/国 | C.S.ブレイナルド/アメリカ |
| 時代区分 | * |
| 調性 | ト長調 |
| 楽式 | 変奏曲 |
| 拍子 | 3/8拍子 |
| 速度表示 | Tempo di Valse |
時代区分については、『トンプソン現代ピアノ教本』に
「この小さな古い時代のワルツは、アメリカの作曲家によってずっと前に書かれたもので・・」
とあるのみで、いつの時代の曲かは明確には分かりません。
小節数は112。演奏時間は2分ほどでしょうか。
タイトルに「ワルツ」と入っていますし、「Tempo di Valse」(ワルツのテンポで)と表示されています。
この曲を弾くのに、「ワルツ」は外せない要素ですね。
『現代ピアノ教本』に書かれていること
この曲は、『トンプソン現代ピアノ教本』2巻に入っています。
テキストに入っているということは、この曲で学んでもらうべきことがあるということですよね。
ということで、『教本』に書かれていることを少し紹介しようと思います。
「変奏曲」について
目次に「ひとつの主題による変奏曲」とあってこの曲のタイトルが書かれていますので、「変奏曲を体験する」ということがひとつの目的ですね。
ただ、「変奏曲を演奏するときの注意点」といったことは特に書かれていないです。
変奏曲の歴史的な説明がありますので、そこを少し抜粋します。
(前略)
『トンプソン現代ピアノ教本2』「星明りのワルツ」楽譜掲載ページより
エリザベス女王時代(1558~1603)に、ヴァージナル(小型のハープシコード)やリュート(14~17世紀に用いられたギターに似た楽器)を演奏する人々が、その基礎を築いたといわれています。ハイドンや、モーツァルトに始まり、ベートーヴェンが発展させました。シューベルトやシューマン、ブラームスなどの作曲家たちもすべて変奏曲を書いており、音楽を勉強する人たちは、演奏技術の進歩に応じて、これらを楽しむことができます。
(後略)
演奏の注意点
演奏するにあたっての注意点がいくつか書かれているので、そこを一部引用します。
『トンプソン現代ピアノ教本』「星明りのワルツ」楽譜掲載ページより
- よいテンポを決めて、それを完全に守りましょう。
- 3/8拍子のワルツは、3/4拍子のワルツよりかなり速く弾きます。
- 非常にたくさん出てくる第2拍目のアクセントに、注意してください。
- 16分音符のグループはきちんとした指づかいをし、それぞれのフレーズの終りでは、手を丸めるようにしてはなしましょう。
3つ目の「第2拍目のアクセント」というのは、以下の部分です。
こちらは曲の冒頭部分ですが、3小節目にあるアクセントがこのことです。
同じフレーズが音を変えて何度も出てきますが、すべてアクセントが書かれています。
全体を通しての演奏ポイント
この曲は、
- 「ワルツ」である
- 「変奏曲」である
という2つのことは忘れてはいけないですよね。
そのうえで、
- テンポを崩さない
- テーマを意識した演奏
この2つを心がけました。
テンポを崩さない
一つ目の「テンポを崩さない」ということについて。
上に挙げたように『教本』にも
「よいテンポを決めて、それを完全に守りましょう」
とありますが、この通りです。
テンポをきちんとキープすることは、演奏する上でとても重要ですね。
そうでないと踊れません。
特に後半部分は16分音符の変奏になり、テンポキープが難しくなるかもしれません。
要注意ですね。
ずっと同じテンポで弾けるよう十分に練習する必要があります。
ワルツ演奏の特徴
ワルツの基本のリズムの取り方は、3拍子なので
1強・2弱・3弱
となりますね。
ですが、「踊る」ということを考えると
1重・2軽・3軽
というイメージで演奏します。
これが「基本」になりますね。
この曲の場合は3/4拍子ではなく3/8拍子です。
『教本』にも
「3/8拍子のワルツは、3/4拍子のワルツよりかなり速く弾きます。」
とありますが、さらに軽やかなイメージを持つことが必要です。
そもそも3/8拍子は、1小節を1拍でとらえるような演奏になります。
なので、このワルツも1小節を1拍でとらえて、その中でワルツのいわゆる「ズンチャッチャ」を意識することになりますね。
1拍目を大切に弾き、2拍目、3拍目はかなり軽く弾く
ことになります。
左手だけで弾いて、「1拍として捉えながらの2拍目、3拍目」を十分に意識した弾き方をよく練習する必要があるかもしれません。
テーマを意識した演奏
この曲は「変奏曲」です。
テーマがあって、それを変奏した部分があって一つの曲になっているということですね。
構成としては、以下のようになっています。
A(テーマ)ーA’(Aが重音になる)ーB(2つ目のテーマ)ーA変奏ーB変奏
ダ・カーポをしてA’で終わります。
後半部分が変奏になっているということですね。(A’もAの変奏ととらえられるかもしれませんが)
「テーマを意識する」というのは、
テーマの音の動きを忘れない
ということですね。
- どの音に向かってメロディーが流れているのか
- どこまでをまとまりと捉えるのか
こうしたメロディーの骨格を認識して弾くということです。
全く別のメロディーとしてしまわないことが大切ですね。
