⇩音声でも聴いていただけます。
先回に引き続き、ダンパーペダルについてまとめていきます。
今回は、ダンパーペダル「使いすぎ」問題について。
ダンパーペダルは、踏むだけで演奏が華やかな雰囲気になります。
なので、ペダル記号が書かれていればとにかく踏み、キレイな雰囲気になったのでそれでOK!になりがちではないでしょうか?
というか、自分自身がそうなりがちなんですよね・・。
でも、それでは本来のその曲の魅力を壊してしまい、「ごまかし演奏」になりかねません。
ダンパーペダルは、必要な所で的確に使うことが大事ですね。
そうしたことを、実例を挙げて書いていこうと思います。
「小さなロマンス」冒頭部分を例に
(音声:1分13秒~5分43秒)
グルリット作曲「小さなロマンス」の冒頭部分を例にしてまとめていこうと思います。
⇩「小さなロマンス」こちらです。
冒頭部分の楽譜はこのようになっています。
2小節目は2拍目で離す、とか、3小節目は2拍目で踏む、といった具合に、わりと細かく指示されていると感じます。
⇩1段目を楽譜に書かれている通りにペダルを入れて弾いてみました。
私の持っている楽譜『ちいさな手のピアニスト4』(ヤマハ)には、1段目にしかペダル記号は書かれていません。
これは、後の部分は ペダルをいれなくていい、ということではなく、これをもとにして各自で考えるということなのだと思います。
そうなると、1小節目に書かれているペダル記号のように、「1拍ずつ踏みかえる」ということになりがちなように思います。
⇩1段目も含め、1拍ずつ踏みかえて弾いた演奏
次に、2段目を私なりにペダルを入れてみました。
⇩1段目を楽譜通りに、2段目を自分なりにペダルを入れて弾いた演奏。
いかがでしょうか?どのように感じられたでしょうか?
ペダルを入れすぎてしまう(すべて1拍ずつ踏みかえる)演奏は、音の輪郭がぼやけてしまうような印象を持ちます。
音が動いている部分は全ての音が響いてしまいますし、休符の部分にも音が入ってしまいますし。
メリハリのない ぼやっとした演奏。単調な演奏。
そのように感じます。
でも、一見キレイに感じるので、だんだんペダルに頼った演奏にもなってきます。
ペダルなしでは弾けなくなってしまうんですね。
YouTubeに上がっている「小さなロマンス」の動画ではペダルを使っていないものが大変多く、今回使用した『ちいさな手のピアニスト4』の楽譜のペダルは、校訂者の判断で加えたものかと思われます。
ついついペダルを入れすぎてしまうのはなぜ?
(音声:5分43秒~7分07秒)
なぜ、ペダル記号が書かれていないところでペダルを入れすぎてしまうのでしょうか。
それは、ペダルの踏みかえはとても高度な技術だから!
ペダルは、踏みかえる時がとても難しいと感じます。
どのタイミングで踏めば、どの音を、どの程度響かせられるのか。
深く踏めばよく響きますが、すばやい踏みかえが難しく乱暴になりかねない。
ものすごく神経を使うことなんですよね。
なので、とにかく踏む、というような大雑把な踏み方になってしまいがちなように思います。
本来は、必要な所で必要なだけ踏む、というものであるべき。
踏む場所、タイミング、深さを細かく考えていくことが大切なんですね。
ペダルに頼った演奏になっていないか確かめるには?
(音声:7分08秒~最後)
ペダルを踏み過ぎていないかを確かめるには、ペダルを踏まずに弾いてみることです。
するとはっきりとわかります。
ペダルを踏まずに弾くと演奏がとても雑です。
伸ばすべき音が伸びていなかったり
スラーで弾くべきところがスラーになっていなかったり
休符がやけに目立ってしまったり
このように感じたら、踏み過ぎです。
まずは、ペダルなしでも丁寧な演奏ができるよう練習し直す必要があります。
ペダルがないとスラーで弾けない、といったところも出てきますが、それでも一旦ペダルを踏まずに丁寧に弾くことに取り組みます。
それから、その状態を崩さないようペダルを入れていく。
そうすると、どこにペダルが必要か、どの程度必要かが見えてきます。
ペダルは、使いすぎに注意!
まずは、ペダルを使わずにキレイに弾けることを目指し、それからペダルを入れるところを細かく考えていく。
ペダルを入れるようになっても、時々ペダルなしで弾いてみるとよいですね。
ペダルに頼るようになってきていないか、折に触れ見返してみるということですね。
2回にわたって、ダンパーペダルの基本について、私自身の経験を踏まえて書いてきました。
参考になれば幸いです。