引き続き、「小人のパレード」について書いていきます。
今回は、私が考える演奏のポイントの2つ目
「独特な音づかいをきちんとつかむ」
ということについてです。
この曲は現代曲ということもあって、クラシックにはあまりないような音づかいになっているところがあります。
不思議な雰囲気の所がいくつかありますよね。
その部分はどういう音が使われているのか。
そのあたりをまとめてみようと思います。
⇩音声でも聞いてただけます。
「独特な音づかい」の正体はモード
(音声:30秒~1分38秒)
独特な音づかいだと感じるのは、モードが使われているからです。
モードは、長調や短調といった音階とは少し違った捉え方をする音の並びです。
長調、短調には当てはまらない音が混ざっています。
普段、調性音楽を聴き慣れているため、不思議な雰囲気を感じるのですね。
でもモードは古くからある旋法なので、実はクラシック曲にも使われていますし、ジャズやポップスにも盛んに出てきます。
この「小人のパレード」のような現代曲では、次々に様々な調に転調し、モードも変化を繰り返していたりするので、独特な雰囲気になるのですね。
大きく2カ所でモードが使われています
(音声:1分39秒~2分04秒)
それでは、モードを含めてこの曲の音づかいがどうなっているのかをまとめます。
この「小人のパレード」は、ト長調です。♯1つの調号が書かれています。
この中で、大きく2つの部分で「独特な音づかい」になっています。
その2つの部分とはこちら⇩。
・A楽節のbからB楽節にかけて
・A’の楽節の最後
それぞれについて、もう少し詳しくまとめます。
A楽節のbからB楽節にかけて
(音声:2分05秒~6分32秒)
(A楽節のb~B楽節は「小人のパレード」演奏動画の19秒~32秒の部分です。)
始めに出てくるのがA楽節のbからB楽節にかけてです。
まずA楽節のb。左手のメロディーのある4小節間ですね。
ここは、2小節ずつのまとまりで転調していて、さらにモードが使われています。
以下のようになっています。
・はじめの2小節:ニ長調(Dメジャー)→Dドリアンモード
・次の2小節:ヘ長調(Fメジャー)→Fドリアンモード
そのままB楽節に入っていきますが、ここが一番不思議な雰囲気を感じられるところではないでしょうか。
ここは、
Fエオリアンモード
です。
A楽節bからの変化をまとめると
Dメジャー→Dドリアン→Fメジャー→Fドリアン→Fエオリアン
と変化しています。
Fエオリアンの部分のみが2小節で、他は1小節ずつで変化しています。
それぞれの音の並びを以下に載せます。黄色の印は、そのモードの特徴音です。


A’楽節の最後
(音声:6分35秒~9分24秒)
(該当する部分は「小人のパレード」演奏動画の41秒~45秒です)
もう1カ所は、曲の最後から4小節目、3小節目の部分です。
A’はト長調(Gメジャー)です。そして、
・4小節目:Gリディアンモード
・3小節目:Gドリアンモード
となっています。
こちらも1小節ずつで変わっていますね。
A’楽節での音使いの変化は、
Gメジャー→Gリディアン→Gドリアン
となり、最後に再びト長調(Gメジャー)になって終わっています。
それぞれの音の並びは以下のよういなっています。

音の変化に敏感に
(音声:9分26秒~)
今回は、不思議な音づかいになっているこの「小人のパレード」の音の使われ方についてまとめてみました。
実は、私自身モードについてはあまり詳しくありません。目下勉強中!という状態です。
なので、もしかしたら上にまとめたものは間違っているところがあるかもしれません・・・。
とお断りしつつ・・
大事なのは、
雰囲気が変わっていることに気がつく
ということです。
元の調が何か、「小人のパレード」であればト長調だということをまずきちんと把握し、途中途中での変化に敏感になることが大切ですね。
この曲は、ニ長調、ヘ長調に変化していて、一瞬ハ長調にもなっています。
そして、モードも使われている。
しかも、ほとんどが1小節ずつで移り変わっている。
本当に変化の激しい曲なんですね。
何調に変化しているのか?
何のモードなのか?
ここまで細かく分からなくても曲を弾くことはできます。
ただ、「ここは他と違う」ということをきちんとつかむことは大切。
そして、その音からイメージを膨らませて弾き方を考えていく。
これは、曲を表現することに直結する大切なことだと思います。