今回は「すみれ」の曲調である「ワルツ」について、もう少し深堀りしてみたいと思います。
ワルツといえば「ズン チャ チャ」の3拍子のリズムですね。
そして、一般的にイメージされるのは、「ウィンナ・ワルツ」ではないでしょうか。
ピアノ曲にもたくさんある「ワルツ」。
ワルツについて理解を深めておくことは、演奏の助けになるはず。
ということで、いろいろと調べたことをまとめてみることにしました。
「ワルツ」とは
そもそも、「ワルツ」とは何か?ということから始めます。
Wikipediaには、以下のようにあります。
ワルツもしくは円舞曲とは、テンポの良い淡々とした舞曲及びそれに合わせて踊るダンスを言う。舞曲は3拍子が一般的である。
Wikipedia「ワルツ」より
日本語では「円舞曲」と訳されますが、ドイツ語の「回転する」という意味の「waltzen」が語源だとされています。
何組かの男女ペアで円を作り、それぞれ回転しながら踊る、という形のダンスです。
歴史的背景
もとになったものは、オーストリアやドイツの民族舞踊で、13世紀ごろ農民たちが踊っていたものから成立したといわれています。
男女が接近して共に踊るので、風紀的理由から禁止された時代もありましたが、16世紀には都市に住む人々にも伝わります。
激しい動きの踊りだったものがだんだんと洗練されていき、18世紀には王宮でも踊られるようになり、宮廷文化として定着していきます。
今ワルツでイメージされる「舞踏会」ですね。
王子様とお姫様が手を取り合って踊る、みたいな・・
ワルツに似た3拍子のダンスに「レントラー」があります。
こちらももとは農民による踊りだったものです。
「『ワルツ』のもとは『レントラー』」と説明しているものが多くありますが、Wikipediaでは、「『ワルツ』と『レントラー』に分かれて発展した」といった書かれ方になっています。
また、ワルツ発祥の地も色々と議論があるようです。
歴史的にははっきりと解明できていないようですね。
その後、1814年から1815年にかけて開催された国際会議「ウィーン会議」をきっかけに「ワルツ」が世界に広まっていきます。
これを機に、「ウィンナ・ワルツ」と呼ばれるようになります。
ヨハン・シュトラウスⅠ世、Ⅱ世がウィンナ・ワルツの作曲者として有名ですね。
19世紀はウィンナ・ワルツ全盛期とされ、1899年のワルツ王といわれるヨハン・シュトラウスⅡ世の死によって一区切りとされています。
音楽としてのワルツ
モーツァルトやベートーヴェンも「ワルツ」というタイトルの曲を作っています。
18世紀から19世紀にかけての作曲家になりますが、「ワルツ」が宮廷文化として定着するころから世界へ広まっていくころと重なります。
地方の民族舞踊ではなく、都市部で踊られるようになった「ワルツ」を取り入れた曲ということになるでしょうか。
また、「ドイツ舞曲」というタイトルの曲を作曲していますが、こちらはワルツの原型のような形態の曲と考えられます。
宮廷で踊られる華やかな「ワルツ」ではなく、民衆の中に根付いていた3拍子のダンスの要素が強い音楽ということになるかと思います。
その後ウィンナ・ワルツとして発展していくことになりますが、一方で、踊るためのワルツではなく音楽作品としてのワルツが多く作曲されるようになります。
ショパンやリスト、ブラームスなどが有名ですね。
ともに19世紀に活動したロマン派の作曲家ということになります。
「すみれ」はウィンナ・ワルツ?
ストリーボッグの生没年は1835年~1886年。
ウィンナ・ワルツが大いに発展したころと重なります。
「すみれ」の曲風を見ても、ウィンナ・ワルツの要素が強いように感じます。
ワルツを踊っているイメージにピッタリで、オーケストラで演奏されてもおかしくないような華やかさがありますね。
ショパンなどのワルツとは違った印象です。
そうしたことから、ウィンナ・ワルツを意識して作曲されたのではないかな、と想像します。
実際に演奏するときも、そうしたことを意識しながら弾くとより深い演奏になるのではないかと思います。
まとめ
今回は、「ワルツ」について調べたことを元に、私見も交えながらまとめてみました。
ヨーロッパの民族的な舞曲を元にした音楽はたくさん種類があります。
ワルツもその一つですが、宮廷文化として定着し、世界中で受け入れられたものということで洗練された華やかさがありますね。
そうしたことを知っておくと、3拍子だからワルツ、ということだけではなく、演奏に少し深みを出せるのではないかと思います。
また、踊るための曲なのか、演奏を聴かせるための作品としての曲なのか、という視点も持っておくとよいかもしれません。
今後の参考になると嬉しいです。
私は音楽史の専門家ではありません。
今回の文章は、調べたことを自分なりに解釈してまとめていますので、間違いが深まれている可能性もありますのでご了承ください。
下に挙げた参考サイトもぜひ読んでみてください。
【主に参考にしたサイト】
Wikipedia「ワルツ」
Wikipedia「ウインナ・ワルツ」
コトバンク「ワルツ」
ONTOMO「ワルツ:語源は中世ドイツ語の「回る」!「会議は踊る!されど進まず」で一躍有名に
ワルツ(舞踏)の歴史(Ⅱ)PDF