「すみれ」は、野に咲くすみれの花のかわいらしい可憐な印象そのままの曲だな、と感じています。
その、すみれのかわいらしさを演奏でどう表現するのか。
私が大切にしたことを具体的にまとめていきます。
4つのポイント
曲を細かく見ていくと、次の4つのポイントがあると考えるようになりました。
- ワルツである
- 左手のスタッカート
- 2分音符+4分音符のリズム
- 装飾音符
「すみれ」に関するはじめの記事にもまとめた4つです。
以下に詳しく書いていきます。
ワルツである、左手のスタッカート
⇩動画でも見ていただけます。
1つ目の「ワルツ」については、前記事で詳しくまとめました。
- 3拍子のリズムをきちんと刻む
- 「強・弱・弱」「重・軽・軽」を基本に、メロディーの動きに合わせて少し変化をつける
といったことです。
そのこととの関連で「左手のスタッカート」について書いていきます。
(動画:1分06秒~)
「すみれ」のはじめの記事に、「左手はすべてスタッカートが付いている」と書きましたが、これは間違いです!
メロデイーの変化に合わせて、スタッカートが付いているところと付いていないところがあります。
楽譜の読み込みが足りなかったと反省しています!
正確には、以下のようになっています。
- A、B楽節:メロディーにスラーがあるところにはスタッカートはない
- C楽節:すべてスタッカートはない
A、B楽節については、メロディーにスラーがあるのびやかな動きのところにはスタッカートはついていません。
⇩A楽節ではこちらです。冒頭部分ですね。

逆に言えば、メロディーにスタッカートが付いている軽やかな印象の部分は左もスタッカートがあります。
⇩こちらです。

⇩こちらはB楽節。スタッカートのある部分とない部分の両方です。

一方、C楽節はすべてスタッカートはついていません。
メロディーにスタッカートが付いているところも含めてです。
こうした細かい違いがあります。
スタッカートが付いていないからといって、音を切らずに弾くわけではありません。
そういう意味では、スタッカートのあるなしは演奏上とてもわずかな違いでしかありません。
ですが、弾き分ける意識をもって演奏することは大切だと考えます。
左のスタッカートのあるなしも含めて細かく見ていくと、この曲は、ゆったりとした動きから少々激しい動きまで、さまざまな変化があることに気が付きます。
かわいらしく可憐な部分、軽やかな部分、優雅な部分・・
そうした変化を敏感にとらえてイメージを持って弾くことは、豊かな演奏に結びつく大切なことだと考えています。
C楽節について
(動画:4分53秒~)
左手のスタッカートが全くついていないC楽節ですが、この部分のイメージについて少しまとめます。
C楽節はA、B楽節よりも全体的に音が低くなっています。
そのせいか、落ち着いた雰囲気を感じますね。
また、次の小節へまたぐ形でスラーがある部分と、2分音符+4分音符のリズムが多いことから、ゆったりとした印象もあります。
そうしたことから、左手のスタッカートは必要ないなと私自身も感じます。
右手のメロディーにはスタッカートが付いています。
右だけにスタッカートがあることで、軽やかなダンスの雰囲気も出しつつ落ち着いた印象も保つことができると感じています。
⇩こちらは、右のメロディーにだけスタッカートがある部分です。

⇩こちらは、メロディーが2分音符+4分音符のリズムになっているところです。

2分音符+4分音符のリズム
⇩動画でも見ていただけます。
このリズムは、「すみれ」全体を通して出てきます。
曲にとって大切にしたいリズムだと感じます。
かわいらしさより優雅さを感じますね。
同じリズムでも、前後のメロディーとの関係から違ったイメージが浮かびます。
どんな印象を持っているのか、まとめてみます。
A楽節
(動画:33秒~)

A楽節冒頭の部分は、次の小節までまたがってスラーが書かれていて、メロディーのまとまりもそこまでになっています。
他とは少し違っていますね。
2小節にわたる大きな動きをイメージしてのびやかに弾きたいところです。
B楽節
(動画:1分17秒~)

B楽節は、装飾音符が付いた拍子の通りの同じ音が3つ続いた後に出てきます。
もっともかわいらしさを感じる装飾音符の部分。スタッカートが付いていて、軽やかな雰囲気があります。
そのあとに2分音符というのばす音が続くわけですね。
この対比を意識したいところです。
2分音符にはアクセントもついています。
かわいらしい部分と優雅な部分。それが交互に繰り返されます。
その変化を大事に、動きを感じさせる演奏をしたいところですね。
C楽節
(動画:2分34秒~)

C楽節は、2分音符+4分音符のリズムが4小節続きます。他にはない形です。
音の動きは、低い音から高い音へとなっていますね。
ふわっふわっと飛び上がるような柔らかな感じを受けます。
1小節ずつにデクレッシェンドも書かれていて、4分音符の方は”トン”とやさしく弾きたいところですね。
落ち着いた印象のC楽節。
ですが、この前に展開される部分とこのふわっとした柔らな部分で、軽やかさややさしさが感じられますね。
⇩こちらは、2分音符+4分音符のリズムの前に部分ですね。

そうしたことを意識して弾きたいですね。
装飾音符
(動画:4分~)
最後に、B楽節の装飾音符についてまとめます。

一番かわいらしさを感じられる装飾音符ですが、あまり細かく弾きすぎない方がいいのではないかと考えています。
装飾音符部分もはっきりとわかるように弾く方が、軽やかなかわいらしさを出せるように思います。
左右ともにスタッカートが付いているので、短く鋭く弾きがちかと思いますが、そうなるとかわいらしさ半減。
強弱記号はpとなっていますし、シャランシャランと軽く鈴を鳴らすような、そんなイメージを大事にしています。
まとめ
今回は、「すみれ」のかわいらしさ、つまり、この曲らしさを出すために、どの部分に注目し、どのように考えて演奏したのかをまとめました。
感じ方はそれぞれなので、私とは違う部分に注目し、違う考えを持たれる方もいると思います。
そうした方は、ご自分の考えとの違いを楽しんでもらえればと思っています。
音楽から様々なイメージを膨らませて、それを表現していくことが演奏する楽しみだと思っています。
私の考えが参考になればうれしいです。