ご紹介したカバレフスキー作曲「道化師」は、曲の速度表示がAllegroであることに加えて、狭い音域を16分音符で行ったり来たりするメロディーが主になっています。
この行ったり来たりの16分音符は、ともすると指がもつれてしまってメロディーが崩れることがあります。
実際、私自身、何度かありました。
どうすれば防げるか。
そうならない弾き方を、まとめてみたいと思います。
もつれやすいのはこんな部分
⇩動画でも見ていただけます。
私自身が指がもつれやすいと感じたのはこの部分です。
B楽節の後半部分ですが、特に4小節目です。
この部分、これまでと違うのは次の2つです。
- 5指すべてを使う
- 4小節目はすべて16分音符で、特に行ったり来たりする
これまで(A楽節からB楽節前半)は主に1,2,3の指を使って弾いていき、1→2→3やその逆の順に動かすことがほとんどです。
それが、ここでは1~5の指すべて使うようになり、特に4小節目は動かす順番が
3→2→1→2→3→2→3→4→5
といった具合に、行ったり来たりします。
そうしたことが、もつれやすさにつながっていると思われます。
⇩この部分に指番号を入れてみました。
曲の速度表示はAllegro。そしてこの動き。
なかなか大変です。
原因は力の抜きすぎ⁉
こうした状況で指がもつれてしまう原因は
力の抜きすぎ
だと考えています。
Allegroで16分音符が続くので、指を速く動かさなくてはいけません。
指を速く動かそうとすると、力を抜こう抜こうとするのではないでしょうか。
力を抜いて、指だけを素早く細かく動かそうとする。
一方で、指の動きは行ったり来たりと少々複雑。
指を素早く細かく動かすことばかりに意識が向いてしまうと、指のコントロールが効かなくなり、もつれる。
こういうことではないかと考えています。
腕からの力の流れを意識して
この場合、逆に少し力を入れるよう意識した方がよいように思います。
最低限の力
ということですね。
そもそもピアノを弾くときには、ある程度の力が必要です。
肩関節を意識してしっかりと腕を持ち上げ、それをキープする力です。
そうしておくことで、指を自由に動かすわけですね。
今回のような場合では、腕から指への力の流れのようなものを感じながら弾くとよいのではないかと思います。
腕を持ち上げキープする力だけではなく、それが指の方へも流れていくようなイメージです。
指を動かして音を出していくわけですが、
その力の流れが鍵盤にあたることで音を出す
といった感じです。
よく言われる「指に重みを感じながら」といった表現と同じことだと考えます。
そして、その際大事なのは、
指をどう動かすのかをきちんと把握して、1つ1つの音をしっかりと意識して弾く
ということです。
弾くべき音だけを知っておくのではなく、どう動かすのかも理解するということですね。
ただ軽やかに、流れるようにさらっと弾いてしまうのではなく、1つ1つを少し意識的に弾く、ということです。
まとめ
速く弾かなければいけないところで、どうも指がよく動かない。
このようなときには、
弾くときの力の入れ具合
に注目してみると、見えてくることがあるのではないでしょうか。
力が入りすぎていて指が固まってしまっている
ということかもしれません。
逆に、
力が足りなくて指が空回りしてしまっている
ということも考えられます。
力の入れ具合を調整していろいろな弾き方をして、よい形を探してみてください。
また、速く弾く部分は、速く弾くことばかりに意識が向きがちです。
少し立ち止まって、音の動き、指の動きをきちんと確認することもお勧めします。
まとめてさらっと弾いてしまうのではなく、1つ1つをきっちりと弾く、という意識が大切ですね。