「舞曲」の雰囲気を表現するために

先日ご紹介した「エコセーズ」は、スコットランドのダンスが元になっているということで、

踊りだしたくなるような軽やかさ

を大事に弾きたいところです。

そのために挙げた2つのポイント

  • スタッカートを軽快に
  • 所々に出てくる4分音符+8分音符のリズムの変化を意識的に

を、もう少し掘り下げて書いていこうと思います。

スタッカートを軽快に

まずは1つ目「スタッカートを軽快に」ということについてです。

一言でスタッカートといっても、曲によって様々に弾き分ける必要があります。

軽快な雰囲気を出すには、短く、少々鋭い弾き方をするとよいと思います。

手指の使い方も、

指を立て気味にして、ツンツンとつつくような感じ

にします。

肩から腕にかけて大きくしならせて弾くのではなく、手首のスナップを効かせるイメージです。

「手首の」といっても、手首を固くしてその先だけを動かす、ということではありません。

肩から指先にかけてのしなりを最小限にする、ということです。

この曲、メロディーの音のほとんどすべてにスタッカートがついています。

メロディーを進ませていくタイミングで、最小限のしなりを使って弾いていく、ということになりますね。

左右でスタッカートの弾き方を変える

(動画:1分44秒~)

この曲は、左手部分もすべてスタッカートがついています。

このような感じ⇩

右手はメロディー、左手は伴奏、ということで、左右でスタッカートの弾き方を変えています。

左手はどのように弾いているかというと・・

右手よりは少し長めで柔らかいイメージ

のスタッカートにしています。

伴奏なので、右手のメロディーよりは音は抑えたい。目立たないようにしたいですね。

ただ音を小さくするだけではなく、メロディーとは少し違った雰囲気で弾くことで、よりメロディーが引き立つのではないかと考えました。

右と同じように短く鋭いスタッカートで弾くと、伴奏としてちょっと安定感を欠くような印象を持ちました。

そのため、このような弾き方にしてみました。

ただ、これは、好みの問題かもしれません。

左右とも同じように弾いた方が、より軽やかな印象になると感じる人もいるかもしれないとも思っています。

リズムの変化を意識的に

もう1つ「4分音符+8分音符のリズムの変化を意識的に」ということについてです。

この曲は所々でこのようなリズムが出てきます。

これが、曲のアクセントになっているととらえています。

なので、他と同じテンポでさらりと弾いてしまうのではなく、強調させたいと考えています。

メロディーを小さなまとまりで分けた場合、この1小節で一つのまとまりととらえられるかと思います。

そのため、弾き方としては、

初めの8分音符を短めにし、4分音符のアクセントをしっかりとつけて少し長めに弾いて次の8分音符へ行く

3つの音それぞれを大切に弾きます。

この「4分音符+8分音符」は、2音のスラーですね。

2音のスラーには基本の弾き方があります。

初めの音はアクセントをつけるように強めに、2つ目の音はスタッカートをつけるように軽く切る

アクセントなどの記号が書かれていなくてもそのように弾きます。

それをさらに強調させるような弾き方です。

まとめ

今回は「舞曲」の雰囲気を出すには・・ということで、私が気を付けた2つのことについて書いてみました。

クラシック音楽には、いろいろな舞曲がありますよね。

一番に思い浮かぶのがワルツかなと思いますが、

メヌエット、ガヴォット、ミュゼット、ジーグ、ブレ、マズルカ・・

本当にたくさんあって、それぞれ特徴があります。

まずは、特徴をきちんと押さえておくことが大切だと思います。

今回の「エコセーズ」であれば、

  • スコットランドのフォークダンスが元
  • 4分の2拍子の軽快なテンポ

という2つですね。

これを知ったうえで、さらに自分なりのイメージを持って弾くということですね。

最後に、「エコセーズ」について調べていくうちに、かなり詳しく書かれているサイトを見つけましたので引用します。

ピアニスト佐藤卓史さんのブログです。

エコセーズ Ecossaise(Ecossaisen)

他の踊りとは異なり、2拍子の舞曲である。
エコセーズとはフランス語で「スコットランドの」という意味で、この舞曲がスコットランド起源であることを示している。本来3拍子の舞曲であったが、1700年頃には既に2拍子化していたらしい。カントリーダンス(コルトダンス)の一種で、男女が常にパートナーを入れ替えながら踊る。その複雑なフォーメーションは、後のカドリーユの起源となった。
(中略)
音楽は急速な2拍子で、時にびっくりするようなスフォルツァンドや、強弱の対比を特徴とする。スコットランドではバグパイプで伴奏するのが習わしで、その名残で低音のドローン(保続低音)を持つこともある。ピアノのためのエコセーズとしては、シューベルトの他にベートーヴェン(6つのエコセーズWoO.83)やショパン(3つのエコセーズ作品72-3)が知られている。
(後略)

シューベルティアーデ電子版「舞曲の種類」より