今回は、スケールを弾くことで表現力をつける、ということを考えてみようと思います。
調は、楽曲の根幹をなすものですよね。
その曲の調のスケールは、その曲に使われている音。それをきちんと知ったうえで曲を弾くことはとても大切です。
調が楽曲の根幹なら、日ごろから様々なスケールを弾いておくことは、曲を弾くうえでとても良い練習になる、ということは理解に難くないと思います。
実際に曲を弾くときに、メロディーの音の流れの意味や、響きが与える感覚を感じ取りやすくなり、そうしたことがより深い曲表現に結び付くのではないかと思っています。
そこで、長調と3つの短調の特徴をまとめ、具体的な練習法を書いてみました。
⇩音声でも聞いていただけます。
音の間隔を意識する
(音声:初め~36秒)
まずは、「音の間隔を意識する」ことです。
スケールは、ハ長調であれば「ドレミファソラシド」となるわけですが、それぞれの音の音程を意識するということです。
ドとㇾの音程。ミとファの音程・・・ということですね。
つまり、スケールの構造を理解してそれを意識して弾くということです。
スケールには、長調と短調がありますね。
それぞれの特徴をまとめてみます。
長調の場合
(音声:37秒~4分55秒)
まずは長調から。
長調の音の「間隔」はこうなります⇩
こちら⇧はハ長調を例にした長調の音階です。
長調は、音と音の間隔が「全音、全音、半音」という並び2つが全音の間隔でつながったもの
ということになります。
音声の中で、「全音+全音+半音の音の並びが全音でつながっている」ことを説明する際、全音でつながっている部分を「ファとド」と言っていますが「ファとソ」の誤りです。
申し訳ありません。
こうした音の並び方をしている、ということを感じながら弾くことが大切です。
特に「ミファ」や「シド」と半音の間隔の部分を意識する。そこがポイントですね。
例えば、ハ長調の「ミファ」は、まだまだ先に続くといった動きを感じさせます。
一方で「シド」は、ドから始まってドで終わる直前の半音の動きになりますが、ここが半音になっていることで「これで終わり」というまとまり感を感じるのではないでしょうか。
スケールの第7音(ハ長調のシ)は「導音」と言いますね。主音(ハ長調のド)に導く音ということで、主音に戻って終わる、というまとまりを作っています。
短調の場合
(音声:4分56秒~6分23秒)
短調には3種類ありますね。
です。
楽譜に示すと次のようになります。ハ長調と同じ調号(♯♭なし)のイ短調を例にします。
半音になっている部分のみを示してみました。
短調の場合は、第2音と第3音の間隔が半音になるのが大きな特徴ですね。
ここが半音になるから短調に聞こえるわけです。
このことはしっかりと意識する必要があります。
自然的短音階
(音声:6分24秒~7分20秒)
こちらは自然的短音階です。
「シド」の他には「ミファ」の部分が半音になります。
これという特徴もなく、のっぺりとした感じがしませんか?
和声的短音階
(音声:7分21秒~8分27秒)
次に、和声的短音階を見てみます。
第7音の「ソ」が半音上がるのが特徴です。
第7音と第8音が半音の関係になることで、音の流れにまとまりが感じられるようになります。
長調の場合と同じですね。
旋律的短音階
(音声:8分28秒~11分52秒)
こちらが旋律的短音階です。
旋律的短音階は、上行と下行で音が変わります。
上行は第6、第7音で半音上がります。
上行のみを見てみると、
始めの4音(ラシドレ)では、第2音と第3音の間隔が半音になることで短調の特徴を示しています。
そして、次の4音(ミファソラ)はファとソが半音上がることで、長調と同じ「全+全+半」の関係になっていて、これで、より自然な、そしてまとまり感を感じられるようになるんですね。
下行では、上行で半音上がっていた音が♮になります。
半音上がったままで下行を弾くと「あれ、長調?」という感じになってしまうんですね。
そこで、元の音(調号通り)になっているということです。
スケールを弾くときのポイント
(音声:11分53秒~最後)
長調と3つの短調のスケールの特徴をまとめました。
いかがでしょうか?
こうした特徴をきちんと理解し、実際に音にして聴いて味わいながら弾くことが大切です。
すると、「ドレミファソラシド」の弾き方が変わってきませんか?
単なる音の並びではなくなって見えてくるのではないでしょうか。
実際に弾くときの弾き方のポイントは、次の2つです。
まずは、スケールのそれぞれの音の特徴を感じながら味わうようにゆっくりと弾くことです。
ここが半音になっている・・ここは全音・・これでひとまとまりのようなイメージ・・
などなど意識して弾くということですね。
そして、強弱をつけてスケールを弾いてみることをお勧めします。
どのようにつけるのか、少し例を挙げてみます。
他にも方法があるかもしれませんね。
スケールをメロディーのように弾く意識をもつことが大切です。
音の動きは単純ではありますが、その動きのエネルギーを感じるということですね。
ぜひ練習に取り入れてみてください。