今月は、ホースレイ作曲「フィナーレ」を紹介しています。
今回は、弾きにくいと感じる部分の1つ
同音をスラーで弾くには?
ということについて書いていこうと思います。
スラーがかかっているので音が切れないように弾きたい。でも、同じ音なので切れてしまう!
ということですね。
片手で同音が続くのではなく、右で弾いた音をすぐ左で弾く、といった形になっています。
何に気をつければよいのか。切れないで弾く方法はないのか。
以下に詳しくまとめていきます。
⇩動画でも観ていただけます。
同音のスラーとはどんな状況?
問題の部分はこちら⇩です。

こちらは、B楽節の5~8小節目です。
左右ともト音記号の音域で、3度の音程で動いています。
同じ色で丸く囲まれているところが同音になっているんですね。
赤:右→左
黄:左→右
青:左→右
となっています。
たった4小節の間に3カ所もあります!
音が切れないように弾く方法は2つ
「音が切れないように弾く」方法は、2つありますね。
1,できるだけすばやく指を入れ替えること。
2,ペダルを使うこと。
でも、1の場合、完全に音が切れないようにするのはムリですよね。
ピアノの構造上、必ず切れてしまいます。
ただ、できるだけ短くして「ほとんど切れたようには聞こえない」ようにすることはできます。
2のペダルを使う方法は、音が切れないようにしたい部分だけでうまく使えば、切れないように弾くことができます。
ただ、踏み方はとても繊細でなければいけないですね。
1,2の方法、それぞれ詳しくまとめていきます。
できるだけすばやく指を入れ替える
(動画3分17秒~5分51秒)
「できるだけすばやく指を入れ替える」。これは、指を入れ替えるタイミングが大きなポイントになります。
最初にある赤丸の部分を例にとると
右でシの音をできるだけ長く弾いておき、次のレの音へ移る時に一瞬切って弾く
左は、本来のスラーの弾き方で弾く
という弾き方になります。
難しいのは、右の「レに移る時に一瞬切る」をどの程度するのか、ということ。
あまりに一瞬すぎてしまうと、左がシを弾くときにぼやけた音になってしまいます。
ヘタすると音が出ない。
かといって、一瞬が長めになってしまうと音が完全に切れます。
この加減がとても難しい!
何度も弾いて、そしてよく聞いて、感覚を身につけなければいけないですね。
もう、それしかないように思います。
ペダルを使う
(動画5分52秒~9分06秒)
もう1つのペダルを使う方法。
こちらはうまくできれば、とてもきれいにスラーになりますね。
重要なのは、
ペダルを踏む位置と深さ
ということになります。
こちらも赤○部分を例にします。
まず、ペダルを踏む位置ですが、楽譜に合わせるとこちら⇩になります。

水色で示した部分がペダルを踏む位置です。
右でシを弾いた直後に踏み、左でシを弾くと同時に離す
ということになります。
そして、踏む際の深さはごく浅く、です。
深くしっかりと踏み込んでしまうと、たとえ1音の間踏むだけでもその1音が響きます。
そうすると、不自然に聞こえてしまうんですね。
音を響かせたいのではなく、切れないようにしたいわけなので、響かせないように踏むことが大切です。
これも、何度もペダルを使ってみて、踏み方を研究する必要があります。
曲の一部分であることを忘れずに
(動画9分07秒~)
こうした部分的な技術練習をするとき、いつも思うのは、
あくまでも曲の中の一部分だ
ということです。
ここだけがうまく弾けても、前後のつながりがおかしくてかえって目立ってしまうようでは意味がありません。
今回の場合、
「切れないように弾けたからオッケー!」
ではなく、切れないように注意を払いつつ、前後の流れに合わせた弾き方にならなければいけないですよね。
私が感じているこの曲全体のイメージは
明るく楽しく、いきいきとした雰囲気で最後を飾る
というものです。
B楽節は、その中でもA楽節よりは滑らかな印象です。
ですが、曲調を考えると、あまり切れないように弾くことにこだわりすぎなくてもよいかもしれません。
例えば今回の部分では、2小節目の頭にスタッカートが付いています。
なので、ここでいったんはっきりと音は切れます。
こちらを強調させることで、同音のスラーは多少切れていても気にならないかもしれません。
また、音の動きに沿って少し大げさに強弱の変化をつけることで、音が切れてしまうことを気にさせないこともできるかもしれません。
曲全体の流れから見てどのように弾くのがよいのか。
それを考えることが一番大切です。
同音のスラーを切れないように弾く技術的なやり方はありますが、そこだけに囚われすぎるのはよくないと思います。
私自身は、ペダルを使わずに弾いています。
また、他の方の演奏でもペダルは使われていないものが多くありました。
あくまでも、曲のごく一部分だということを忘れずにいたいですね。